世界的なアンフォルメルの動向と位置づけられ
日本の戦後美術の中でいち早く国際的な文脈に位置づけられた「具体」。
そこで第二世代として新風を巻き込んだ作家
 名坂有子
をご紹介させていただきます。


    具体
    1954年7月に、戦後美術の活性化を目的として結成された組織で、吉原治良、嶋本昭三らの設立メン
     バーに、翌年に白髪一雄、田中敦子、らが合流。 55年10月に開催された第一回合同展の案内状に、
     吉原は「これが美術であるかないか、そんなことはどちらでもよさそうです。」と書きつけ、この尖鋭的
     な芸術運動のマニフェストとしてみせた。事実、白髪が泥の中で半裸で悶えたり、村上が衝立の紙を
     突き破ったりする突飛なパフォーマンスは、ほぼ同時期の「アンフォルメルとリンクするかたちで海外に
     も知られるようになった。今では戦後美術のエポックとして高く評価されている。具体美術協会の会員
     として活躍したメンバーには、名坂有子、高崎元尚等がいる。運動が尖鋭的であった分その寿命もまた
     短く、「具体美術協会」自体は72年の吉原の死まで存続したが、その実質的な命脈は58年の第二回
     合同展で終わりを迎えた。なお94年にポンピドゥー・センターで開催された「境界を越えて」展では、
     Gutaiは戦後の日本美術を代表
すると位置づけられている。21世紀の現代、具体の運動は、抽象世界を
    リードする運動であると新たな評価がなされ、具体美術の展覧会が行われている。 

 
   
名坂 有子
Nasaka Yuko
1938 大阪生まれ
1959 樟蔭女子大学卒業
1962 第15回芦屋市展市長賞・15回記念賞受賞
1962 吉原治良師に師事
1963 具体美術協会会員
1964 具体ピナコテカで個展
1965 第9回シェル美術賞佳作賞受賞
1966 スタドラー画廊にて具体美術小品展に出品
1987 IBM絵画・イラストコンクール優秀賞受賞

1964年具体ピナコデカ個展 大阪

同心円のレリーフ状の作品、樹脂やアルミ等の工業用新素材を用いた反復する円のイメージの作品は、
背後に無限の空間を暗示している。具体の作家の中でも、名坂の空間構造は東洋的な開かれたものを
感じさせ、中期の具体を代表する作家として評価されている。

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